ITストラテジスト 業務経験ゼロでも合格するための対策

今回は、資格の話。

ITと文章書くのが好きならオススメの資格があります。

• システムアーキテクト
• プロジェクトマネージャ
• ITストラテジスト
• システム監査技術者

です。

どれもIPA（情報処理機構）という経産省が所管の団体が運営している資格で、国家資格です。

なぜ、文章書くのが好きならオススメかというと、論文試験があるからです。これが一番難関なんですが、文章力さえあればここを突破できるので、経験なしでも合格することができます。

ぶっちゃけ、ITの知識はそんなにいらないです。簿記だって、勉強始めるときはたいていの人は会計の知識はないですよね？そんな感じで、勉強すれば勝手に身につくし、そもそも暗記事項が少ないです。

で、ぼくは全部１回ずつ受けたんだけど、ITストラテジストに一発合格した（残りは全滅）ので、

勉強法を書いておきます。参考になれば〜。

前半は、ITストラテジストについて簡単に説明し、
後半は、主に午後１試験と午後２試験の対策について書いています。

ITストラテジストとは？

IPAのホームページに、記載があります。

www.jitec.ipa.go.jp

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術を活用して改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者

なんかワケのわからないことが書かれているけど、試験に合格するだけなら上記に当てはまってなくても合格できる。

現に僕は、経営戦略とかIT戦略とは無縁の仕事をしながら、社会人２年目に合格してます。
※ただし、試験合格当時はシステムエンジニアではあったので、多少のIT知識はあった。

ITストラテジストの難易度は？

ネット情報を見ると、「情報処理試験で最高難易度を誇り、資格試験の中でもかなりの難易度である」的なこと書かれているけど、これは論文試験があるせいだと考えてます。２時間という制限時間で、最低でも2,200文字（最大4,000文字）書く必要があるので、最初は面食らうかも。

あんまり専門知識は問われないです。暗記量は少ないし、試験勉強にあまり時間をかけなくて済むので、コスパのいい資格かもしれない。

ワンランク下の試験に「応用情報技術者試験」というのがあるけど、こちらのほうが幅広い専門知識が要求されるので、人によってはこちらのほうが苦手に感じるかもしれない。

実際、ぼくの同僚にも応用情報試験は落ちたけど、プロジェクトマネージャという高度試験に合格した人がいるぐらいです。

その人はITの知識には疎かったかもしれないけど、文章力はあったように思います。

ITストラテジストの試験の内容は？

午前１、午前２、午後１、午後２　と4種類の試験を一日でこなさなければならない。

さっきから何度も言っている「論文」は最後の午後２試験のことです。

後述するように午前は過去問対策すればわりと簡単に通過できるので、午後１と午後２の対策がメインになるかと。

午前試験の勉強法は？

まず、午前１試験と午前２試験ですが、選択問題で、かつ全問いの半分以上は過去問の使いまわしです。

過去問を暗記するなどすれば、必ず通過することができます。（どちらも、正答率：６０％以上で合格） 

ここは暗記が必要なところだけど、他の難関資格に比べて暗記量は全然少ないし膨大な時間がかかることはないでっす。

午後１試験の対策は？

他の高度試験（プロジェクトマネージャ、システムアーキテクトなど）も同じですが、午後１試験は「国語の試験」です。

何が言いたいかというと、問いの意図（出題者の意図）を考慮して、問題文に使用されている言葉を利用して回答を作成することが一番大事だということ。

「こんな業務を経験していないと回答できない」といった問題は出ません。

「３CとかSWOTといった用語を知らないと回答できない」といった問題はたまに出ていますが、午前試験の勉強過程でそれくらいの知識は身につきます。

だから、午後１試験対策で重要なのは、

• 日頃から文章に接して、「読むこと／書くこと」に慣れておくこと
• 過去問をたくさん解いて、「午後１の問題文を読んで、解答を作成する」ことに慣れておくこと

書くことに慣れておくことは、論文試験にも生きてきます。

他の人の合格体験談的な記事にも「業務経験ゼロで合格できる」という記事があったけど、、おそらく最低限の文章読解能力、文章作成能力は持っている方のはず。

午後２ 論文試験の対策は？

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論文対策も、午後1試験とあまり変わらないですね。
つまり、

• 日頃から文章に接して、「読むこと／書くこと」に慣れておくこと
• 過去問を利用して自分で論文を作成し、論文の書き方に慣れること

論文というのは感想文ではなく、「問題文に対して、論理的に筋道を立てながら自分の経験・考えを説明すること」です。
したがって、何よりも大切なのは、「論文の構成」です。

つまり、論文を書き始める前に、論文の構成を設計しようぜ！ってことです。

例えば、
以下のような設問の場合の設計内容を考えてみる。

設問（ア）：あなたが携わったITを活用した事業戦略の策定において、前提となった競争戦略について、事業特性とともに、８００字以内で述べよ。
設問（イ）：設問アで述べた競争戦略に基づき、どのような検討を行い、どのような事業戦略を策定したか。活用したITを明確にして、８００字以上、１６００字以内で具体的に述べよ。
設問（ウ）：　設問イで述べた事業戦略を経営トップ、事業責任者に対してどのように提案し、どう評価されたか。更に改善する余地があると考えている事項を含めて、６００字以上１２００字以内で具体的に述べよ。

引用元：平成24年午後２問１ 

設問（ア）で書くこと

• 対象企業の事業特性と経営課題は？
• 経営課題を解決するための競争戦略（経営戦略）は？
• どのようなITを活用して、経営戦略を実現するのか？

設問（イ）で書くこと

• 活用するITは具体的にはどのようなものか？
• ITの導入において、どのような課題があったか？
• 上記課題に対して、どのような対策を検討・実行したか？実行結果はどうだったか？

設問（ウ）で書くこと

• 事業戦略を経営トップと事業責任者に対して具体的にどのように提案したのか？
• 上記はどのように評価されたか？
• 評価結果を考慮してどんな改善点があるのか？
• 改善するための施策はどのように考えているか？

といったことを論文作成前に箇条書きでいいので設計しておくことをおすすめします。

最初に論文構成を設計しておくことで、途中で鉛筆が止まる時間も少なくなるし、文章内容が矛盾することも減るはず。

論文設計時に重要なのは、必ずしも自分の業務経験に沿って論文設計する必要は無いということです。

つまり、問題の意図を考慮していさえすれば、論文内容は脚色しちゃってOKってこと。

一番大事なのは、「設問への解答を論理的にわかりやすく伝える」ことなので、自分の経験に沿って論理性が崩れるくらいなら、経験していないことでも想像して（ただし、問題の意図に沿うことは忘れないようにしましょう）どんどん脚色していきましょう。

論文は練習で4〜5本か作成しましたが、時間配分はだいたい、
　論文設計：30分
　設問（ア）：20分
　設問（イ）：30分
　設問（ウ）：30分
　見直し：10分

という配分になることが多かったです。
論文設計に時間をかけることで、結果的に設問（ア）～（ウ）もスムーズに書くことができ、見直しの時間も確保することができます。

まとめ

今回はITストラテジストの対策について書いたけど、基本的に他の高度試験も試験の形態は同じなので、同じような対策で合格できるはずです（ぼくは落ちてるけど）。

ただ、業務経験ゼロだと、論文の設問内容によっては、どうしても文章力だけじゃごまかしがきかないことがあります（ぼくは、システムアーキテクトとプロジェクトマネージャは論文で落ちた）。

だから、１年に１回同じものを受け続けるよりは、どれか２つに絞って半年に１回受け続けるのをオススメします。

例えば、プロジェクトマネージャとITストラテジストにしぼったのなら、春はプロジェクトマネージャ、秋はITストラテジストを受ける、というのをどちらか合格するまで繰り返します。

論文作成に慣れて、文章力が一定以上になれば、３回に１回くらいは相性のいい設問に巡りあえて合格することができると思います。

「業務経験ゼロでも合格できる」とは言いましたが、その分文章力でカバーしなければなりません。というわけで、それなりの努力は必要なのは間違いないっす。一応難関資格ですしおすし。

 ぼくの具体的な論文設計内容については↓↓

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