こんちはー。
ココ数年で「若者の就職失敗による自殺者数が急増している」みたいなことをよく見聞きするようになりました。
上の記事では、「近年”就活自殺”の人数が激増している」と書かれてる。
ホントに就職失敗による自殺者数が増えているのか、気になったので調べてみた。
警察庁ホームページに自殺の統計がありました
警察庁が自殺の統計を毎年まとめていました。
こちらのデータを参考にして、2007〜2015年の、20代で就職失敗が原因で自殺した人数の推移を調べてみた。
2012年までは増加しているが、それ以降は減少し横ばいの傾向
で、結果は、下のようなグラフになりました。
自殺者数全体における自殺者数の推移(上)と、20代自殺者数全体における自殺者数の推移(下)です。
推移の仕方はほとんど同じだった。これらから言えることは、
- 2012年までは確かに、増加している。(2007年から2012年で2.5倍に増加している)
- 2013年には減少に転じ、それ以降は横ばいの傾向。
つまり、2012年までは確かに激増しているが、それ以降は減少or横ばい傾向にあるということ。
現在進行形で激増しているわけではない。
ここ2〜3年は売り手市場で新卒の就職率はかなり改善されているようだし、そういったことが影響しているのかもしれない。
でも、10年前の人数までに改善されるのは当分なさそうな気もするな。
メディアの言うことを全て鵜呑みにしてはいけない
「就職失敗による自殺者が増えている!」、「自殺者数が増えている今の就職制度はおかしい!」なんてことを報道するメディアが多いけど、
「就活自殺者はどんどん増えてるんだ!」と曲解してはいけないな、と思いました。
実際、メディアは「読まれてなんぼ、見られてなんぼ」なところがあるので、極端な主張を前面に出して主張と矛盾するようなことは発信しないことが多いように思う。
今回の例で言うと、「自殺者数が増えている」ということを主張したいので、「最近は減少 or 横ばいだけどね」といった主張の邪魔になるような要素は表に出してこない。
他人の言うことを鵜呑みにするのではなく、事実をもとにして実際はどうなのか、ということを自分で考えられるようにしたいもんです。