シュンカの日記

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職場のトイレ(個室)が埋まっている確率と、埋まっていた場合の平均待ち時間について考えてみた【統計学】

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こんちは。

ぼくは新陳代謝が良すぎてよくトイレ(大)に行ってしまうんだけど、職場のトイレの個室がよく埋まっていることが多い気がしてならない。(だいたい2〜3回に1回は埋まっている気がする)

個室の数少なすぎるんじゃねぇの・・・って思うんです。

で、トイレの張り紙に、

「フロアの人数を考慮して、トイレの個室の数を決めております。別フロアのトイレは使用しないようにしてください」なる但し書きがある。

ちょっとコレ、本当なのか気になったので、今回は職場のトイレの個室数の妥当性について調査・考察してみます。
※ちょいちょい計算式が出てきますが、興味ある人だけ見てください。基本的に、計算過程は無視して結果だけ見てもらえればOKです。

待ち行列という考えを利用すればいいらしい

統計学の中に、「待ち行列」という考えがあり、それの公式を利用して、トイレの個室が全て埋まってる確率や、トイレでの平均待ち時間が求められるよう。

待ち行列の考え方や、変数・公式・計算式については以下のサイトを参照しました。

- サルでもわかる待ち行列

M/M/s型<待ち行列<オペレーションズ・リサーチ<Web教材<木暮

待ち行列のモデルはいろいろあります。例えば、

  • 窓口:1つ、列:1つ
  • 窓口:複数、列:1つ
  • 窓口:複数、列:複数

で、今回は、2点目の「窓口:複数、列:1つ」のパターンです。M/M/sモデルと言うらしい。
トイレを例にすると、下の絵みたいな。

f:id:nukano0522:20160919185239p:plain

複数の個室に対して、1列で並んで空いた個室から入っていく、というパターン。

このモデルを利用して、職場のトイレ(個室)が埋まっている確率と、埋まっていた場合の平均待ち時間 を計算します。

まず、利用する変数の確認

下表のような変数を利用します。

変数 一般的な名称 本記事における意味 定義式 備考
 \lambda 平均到着率 1時間あたりの個室利用者
 \mu 平均サービス率 1時間あたりの1つの個室の利用者数
s 窓口数 個室の数
 \rho 平均利用率 トイレの平均利用率  \frac{λ}{μ \times s}
 P_{0} サービス中を含む客数が0である確率 トイレの個室利用者数が0である確率  \frac{1}{\sum _{n=0} ^{s-1} {\frac{(s \rho)^n}{n!}} + \frac{(s \rho)^s}{s!(1- \rho)}}
 L_{q} サービスを待っている人の平均人数 トイレを待っている人の平均人数  \frac{\rho (s \rho)^s}{s!(1- \rho)^2}P_{0}
 W_{q} 到着してからサービスを受けるまでの平均待ち時間[時間] トイレに到着してから個室に入れるまでの平均待ち時間[時間]  \frac{L_{q}}{\lambda}
 P_{n \geqq s} 窓口が全てふさがっている確率 トイレの個室が全てふさがっている確率  \frac{(s \rho )^s}{s!(1- \rho)}P_0

定義式についてはこういうもんだと思っていただければ。正直ぼくもあまり理解できていないが、ゴリゴリ計算するとこうなる模様。
式の導出については、下記サイトを参照。
M/M/s型<待ち行列<オペレーションズ・リサーチ<Web教材<木暮

どちらかというと、「本記事における意味」に着目してもらえればいいです。
今回知りたいのは、

  •  P_{n \geqq s}:トイレの個室が全てふさがっている確率
  •  W_{q}:トイレに到着してから個室に入れるまでの平均待ち時間

です。 P_{n \geqq s}の確率が高かったり、 W_{q}の時間が大きかったら、「もっと個室増やせや!」って話です。

λ(1時間あたりの個室利用者)と、μ(1時間あたりの1つの個室の利用者数)とs(個室の数)の仮定を置く

下表のように仮定しました。

変数 本記事における意味
 \lambda 1時間あたりの個室利用者 30人
 \mu 1時間あたりの1つの個室の利用者数 7.5人
s 個室の数 5個

以下、上表のように仮定した理由です。

λ=30 の理由

① フロアにいる男性は約250人
② 一日の勤務時間は約10時間と仮定
③ 1日にトイレに行く回数は1人あたり4回と仮定
④ ①、③より、1日のトイレ利用者数は延べ250×4=1000人
⑤ ②、④より、1時間あたりのトイレ利用者数は延べ1000÷10=100人
⑥ トイレ利用者のうち、30%が個室を利用すると仮定
⑦ ⑤、⑥より、1時間あたりトイレ個室利用者数は延べ100×0.3=30人

μ=7.5 の理由

① 個室利用者の平均滞在時間を8分と仮定
② ①より、1時間あたりの1つの個室の利用者は60÷8=7.5人

s=5 の理由

これは実際の今のトイレの数です。5個で妥当なのか、今から検証します。

実際に計算してみて、結果を考察する

で、実際に計算してみました。Excelを使いました。

s=5(トイレの個室が5個)のときの、計算結果

さきほどの定義式を利用して、Excel氏にゴリゴリ計算してもらいました

変数 本記事における意味
 P_{n \geqq s} トイレの個室が全てふさがっている確率 32.7%
 W_{q} トイレに到着してから個室に入れるまでの平均待ち時間[時間] 0.0261時間=94秒

というわけで、だいたい3回に1回は埋まっているという結果になりました。
これは、はたして妥当なのか・・?

個室が埋まってた時に94秒待つのは地味にイライラするかもしれないなー特に急いでいるときは。

正直、比較対象がないので5個が妥当なのかわからないが、個人的にはもう少し増やして欲しい(人より個室利用回数が多いのでw)。

s=6(トイレの個室が6個)のときの、計算結果

個室を一つ増やしたらどれくらい待ち時間が改善されるのかを計算してみた。

変数 本記事における意味
 P_{n \geqq s} トイレの個室が全てふさがっている確率 14.8%
 W_{q} トイレに到着してから個室に入れるまでの平均待ち時間[時間] 0.00741時間=27秒

すごい、1個追加しただけでこんなに改善されるんですね。
窓口数の設計って、大切だ。

s=7(トイレの個室が7個)のときの、計算結果

もういっちょ〜

変数 本記事における意味
 P_{n \geqq s} トイレの個室が全てふさがっている確率 6.1%
 W_{q} トイレに到着してから個室に入れるまでの平均待ち時間[時間] 0.00222時間=8秒

2個追加すると、かなり改善されるね。
予算や場所の問題もあるんだろうけど、これぐらい導入してくれたら楽だったなー。

まとめ

職場のトイレの個室利用を題材にして、待ち行列について考えてみた。

窓口が1個増減するだけで待ち時間に大きな変動が生じるので、奥が深いな・・と感じました。

時間帯によってトイレの利用者数に偏りがあるはずなので、精度を高めるにはそこらへんの考慮も必要ですな。
(朝や昼食後は個室利用者多いはず)

変数変えてグラフ上でシミュレーションできるようなプログラムを書いてみたいなとも思いました。

以上でした。
※考え方や計算に間違えがあったら、ご指摘いただけるとありがたいです。